残像


 ミンナガ笑ッテイル。

 世ハ全テ事モ無シ。

 誰モ傷付カナイ。

 誰モ悩ムコトモ憂イルコトモナク。

 血生臭イコトナド必要モ無ク。

 白イ服ヲ纏ッタ異国ノ姫ハ決シテ人外ノ力ナド無ク

 制服二身ヲ包ンダ先輩ハタダノ優シイ先輩デ

 俺ノ妹ハ決シテ揺ラガナイ艶ヤカナ黒髪ノ持チ主デ

 少シ沈黙シガチナメイドハ時々ノハニカンダ笑顔ガ幸セソウデ

 イツモ笑顔の給仕サンハイツモ通リ笑ッテイル。

 ソシテ俺ノ隣ニハ綺麗ナ笑顔ヲフリマク可愛ラシイ弓つ――――


ーーー―――――一―――――――ーー―――一――――――――――

 あぁ、


  あぁ、


   あぁ、なんて、都合のいいユメだ。

 眩しいその笑顔

 俺はそんな可愛らしい笑顔もロクに知らないくせに

 彼女の声もロクに思い出せないくせに

 俺が理解した彼女の言葉は『助けて』タダそれだけ――



 『できる範囲で手を貸す』などと―――――――――――――――――― 思い上がりも甚だしい

 俺には何もできない――――

 できることはただ『死』を与えることだけ。

 例え手が届こうと俺にはなにもできないのに―――

 今、眼の奥に浮かぶ彼女の笑顔に罪悪感を感じる自分――そんな自分に嫌悪と罪悪感を感じる。


 それでも

 その笑顔は目に焼き付いて―

 その笑顔は網膜に焼き付いて―

 その笑顔は脳裏に焼き付いて――


 言葉などは必要ないと言っているかのようで

 俺は逃げているのか―

 わからない―

 けどわからなくてもその悔と戒は――




 あぁ、「忘れない」

 「俺は君の」ことを

 君の「想いを」

 「俺の想い」を

 ―――――――夢から、覚める。

 目にはいるのはすこしボヤケた天井………

 目尻に水分を感じる。

 涙腺は閉じる様子は無い。

 とめどなく流れ続ける。


 「あぁ―忘れない」


 目を閉じる。

 瞼の裏には笑顔が焼き付いている。

 俺が知ろうともしなかった笑顔が―――――――――

 残っているものは俺が知ろうともしなかった笑顔だけ――――――――


 辛いこと悲しいこと痛いこと苦しいこといろんなことがあったはずなのにそれは風化していって―


 俺に都合のいい想い出だけが残る。

 「忘れないよ」

 瞼の裏の彼女は何かを呟く。

 その言葉は全てにかきけされて――

 それでも

 「あぁ……俺は忘れないよ。忘れない。君がいたことを………。」

 そんな都合のいい思い出だけでも抱いていこうと、思う。



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メルブラのほうが先でした。

月姫をまず基本としてプレイしました。

そして、メルブラをプレイしていました。

そんな折、歌月十夜をプレイしました。





さっちーん!!!

そんな背景で生まれた作品でござい。

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